このバスルームに閉じ込められてから、もうどれくらい経ったのだろうか。ドアとの格闘も虚しく、外はとっぷりと暮れてしまった。明日は休みだから久し振りに長風呂でもしようか、なんて思ったのが間違いだった。おかげで夕飯も食べ損ねてしまった。引っ越して早々、運が悪すぎる。

 ここまで一人暮らしを恨んだことはない。誰かに知らせようにも電話は当然外にあるし、窓はほとんど開かずに外を見ることもままならない。

 天井を見上げて、溜め息を吐く。どうしよう?

  A.誰か、ここに来る人はいないだろうか?
  B.こうなったらドアを壊してやる!
  C.思い切り叫んだら、きっと誰かに届くはず。
  D.どうして開かないのか、ドアを調べてみよう。