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3人組の強盗


 3人を乗せた車が人気のない夜の道を走っている。



 ハンドルを握る男が言う。

「今日の首尾はどうなんだ?」

 身を乗り出して男が答える。

「順調だぜ。たんまりお宝が手に入る算段だ」

 女がフロントミラーを見て笑う。

「上手く逃げおおせるやり方を見つけたのよ」

 運転席の男は眼鏡をくいと上げた。

「終わったら、またいつものように山分けだな」



 一仕事終え、車は帰路を走る。



 ハンドルを握る片手を離し、男は顔の汗を腕でぐいと拭った。

「上手くいったな」

 後部座席に振り向いて女は薄く笑う。

「ええ、計画通り」

 フロントミラーに男の笑みが映る。

「今回の報酬は今までで一番だな」



 後部座席には、限界まで札束が乗せられていた。







  了








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