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 ねえ。
 どんな気持ち?
 挽き肉になるのって。
 あなたでハンバーグなんて作ったら、
 美味しいかしら?
 私は込み上げてくるものを抑え切れずに、大声を上げて笑い出した。どうして笑うのかはよくわからなかったけれど、とにかく笑うのを止めることはできなかった。
 包丁を振り上げ、振り下ろす。振り上げ、振り下ろす。彼がぐちゃぐちゃになる音と感触が、私を突き動かした。
 どこかで、サイレンが鳴っている。それに、ドタドタという誰かの足音。自分の笑い声が邪魔をして、よくは聞こえなかった。遠く離れたところから聞こえるようにも、すぐ隣から聞こえるようにも思えた。
 サイレンと笑い声と肉を刻む音の不協和音を聞きながら、何故か私は震えと涙が止まらなかった。


エピソードACB
「不協和音」

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