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心の底から愛する君に 紅いドレスと風穴を

 男の眼前には紅いドレスをまとった女がいた。ドレスは恋人から贈られたもので、絹のような白い肌を輝かせ、華やかな顔立ちの彼女を讃えるように彩っている。世界のあらゆる女性の中で最も美しいと思いながら、男は薄らと笑った。
「よく似合っているよ」
 どんな色でも彼女は難なく着こなすが、やはり赤が一番いい。あの時の黒い服なんかよりも、ずっと。隣の男もどうしてそれに気付かなかったのだろう。男は微笑んだまま、小首を傾げる。
「これからは、ずっと一緒だよ」
 復讐のために握った拳銃をぶら下げ、男は血の赤の中に一人立っていた。

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